高野山の見所

天空の宗教都市、高野山 Koyasan(Mt.Koya)


高野山は817年に弘法大師・空海が開山した、真言密教の一大聖地です。
2004年にユネスコ世界文化遺産に登録され、広く海外に知られることになりました。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで3つ星を獲得したことで、外国人観光客も目立ちます。

 
Koyasan is the center of Shingon Buddhism…

English→Welcome to KOYASAN

 

平成27年(2015年)、開創1200年を迎える高野山。

さっそく見所をご紹介しましょう。

 

■大門(重要文化財)Daimon

高野山の大門
夕日に照らされた大門


高野山の総門である大門。今建っている大門は、1705年に再建されたもの。高さ25.8mの重層の桜門で高台に堂々と建っています。とても迫力がありますよ。

 


写真に人が入ることで、その大きさが分かると思います。


両端の金剛力士像は、阿形像が康意(こうい)作で、阿形像が運長(うんちょう)の作とされています。間近でそのような仏像が見られるわけですから、ぜひ足を運んでみてね!高野山の中でも強いパワーを持つ場所です。

オススメの時間帯は夕日の時刻! 大門近くの山道を登ると嶽弁天社があり、その鳥居付近から撮影した夕日です。神々しい夕日が撮れました。

ここはワタシ的に、奥之院に次ぐパワー溢れる場所だと感じたのですが、
訪れる人があまりいない模様…。もったいなーい。
日本人より外国の方の方がよくご存じで、iPhoneで夕日の動画を撮っているブラジル人も見かけました。
高台に面していて、とても良い「気」が流れているので、ぜひ足を運んでみてください!

■壇上伽藍(国指定史跡地域)Danjyo-Garan

 

・根本大塔 Konpondaito

根本大堂
朱塗りの根本大堂。高野山の信仰の中心である壇上伽藍にあります。


真言密教の根本道場として、空海が真っ先に着手したのがこの建物です。高さは約40メートル。晴れた日に見上げると、青空に映える朱色がとても美しいです。

立体曼荼羅
立体曼荼羅


中に入りますと、きらびやかな立体曼荼羅の世界が広がります。これは分かりにくい密教の世界を分かりやすいよう、空海が立体で表現したものです。
中央に胎蔵界大日如来、四方に金剛界四仏、周囲に16本の柱が立っております。(プレスツアーのときに特別に撮影させていただきました。※通常は撮影禁止となっております)

・西塔 Saitou

nisi
2015.5.19(SIGMA/DP2)

・鐘楼

・金堂 Kondo

金堂
金堂


819年に創建された金堂。高野山の主な行事が執り行われる場所です。

これまで7度の焼失にあっていて、現在の建物は1932年に再建されたものです。

※高野山開創1200年大法会の間、仏師:高村光雲作の秘仏がご開帳!公開は初めてのことで、なんと80年ぶりのことです!次回ご開帳されるときは、もう我々は生きていないかも…!5月21日までですので、ぜひこの機会に高野山へどうぞ。
http://www.nankaikoya.jp/event/koyasan1200/event/

・金剛峯寺 Kongoubuji

金剛峯寺
金剛峯寺

高野山真言宗の総本山、金剛峯寺です。
ここでは国内最大級と言われる石庭、蟠竜庭(ばんりゅうてい)を見ることができます。貴重な数々の屏風やかつて僧侶たちのお食事を作っていた大きな台所も見ることができます。

金剛峯寺の内部を少しご紹介します。

・奥之院(国指定史跡地域) Okunoin

奥の院
奥の院参道

空海が眠る奥之院。約2キロの参道には樹齢数百年を経た巨木たちが天を目指して真っ直ぐに伸びています。木々の間には織田信長などの名だたる武将をはじめ とする約20万基を超す墓碑が並んでいます。高野山にお墓を持つということは、ステイタスだったんですね。歴女にもたまらないエリアです。※ちなみにカワイイお地蔵さんもたくさんいらっしゃるので、お地蔵ガールさんにもおすすめ!

高野山奥の院
弘法大師御廟

奥の院御廟。ここから先は撮影禁止。脱帽でお願いします。

高野山は四季によって様々な表情があり、訪れる季節によって印象がだいぶ変わる場所です。幸運にも様々な季節に訪れることができたので、夏・秋・冬と分けてご紹介しましょ〜。

〜夏の奥之院〜(2013.7 Nikon 5200)

〜秋の奥之院〜(2013.10 Nikon5200)

〜冬の奥之院〜(2013.12 iPhone5s)

■戦国武将の供養塔

奥之院には20万基以上の供養塔が立ち並んでいます。その中には戦国武将の供養塔も多く、織田信長、豊臣秀吉、明智光秀、上杉謙信、伊達政宗などそうそうたるメンバーが私たちを出迎えてくれます。

■南院 波切不動


Nan-in

空海さん手彫りと言われる、波切り不動明王さまがご本尊です。宿坊施設もあり、大浴場は高野槇の浴槽が使われています。

波切龍

*空海先生の豆知識*

冬の奥之院
冬の奥之院


 真言宗や弘法大師・空海のことについて、少し説明しましょう。空海は774年、讃岐の国(香川県)で生まれました。父親は地元豪族の佐伯氏で、小 さいころの名前は佐伯真魚(さえき・まお)といいました。意外とかわいい 名前です…。小さい頃から読み書きに優れ、秀才ぶりを発揮。神童の誉れ高かったと言います。

私度僧として山林で修行を重ねた空海さんは、804年、留学僧(るがくそう)として唐の都・長安に渡ります。そのときに偶然に出会ったのが、恵果(けいか)和尚さん。超有名な阿闍梨さまでした。

恵果和尚は空海のただならぬ才能にすぐに気づき、空海をお弟子さんにして密教を伝授しました。当初、空海は20年の約束で学びに行ったわけですが、2年で習得して帰ってきたのですから凄いです。

帰国後、恵果和尚から教えられた密教を理論的に整理、体系化。和歌山県の高野山に金剛峯寺を建て、真言宗を開きました。当時、僧侶の修行は都や国府の寺院で行うことが通常でしたが、深山幽谷の高野山の地こそ、修行の場にふさわしいと考えたのです。

真 言宗の名前の由来は、お釈迦さまの悟りをそのまま表現した言説とされるということで、『真言』と称しました。お釈迦さまの教えを経典から学び修行して悟り を開く『顕教』に対し、真言宗と天台宗は『密教』と呼ばれます。秘密の仏教です。秘密の呪法を習得して行きながら大日如来と一体化することを目指していま す。

 835年に空海は永遠の瞑想に入りました。これを「入定」と言いまして、いわゆる「即身成仏」という究極の修行を行いました。空海はまだ修行を続行しており、今でも世の中のために祈りを捧げているとのことです。